日本ファンクショナルダイエット協会
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理事長編

白澤卓二

JFDA理事長

アンチエイジング研究の第一人者である白澤卓二先生は、なぜ日本ファンクショナルダイエット協会(JFDA)を設立したのでしょうか? 抗加齢は予防医学である。そしてその本命はケトン体=ケトジェニックダイエットである!という確信があったからです。

白澤先生はなぜ「ケト検」を始めたのか?

アルツハイマー病の究極の解決法

 東京・本郷にある順天堂大学のすぐ近くに白澤卓二理事長の研究室はあります(取材当時)。先生の講座の正式名称は、順天堂大学 大学院医学研究科 加齢制御医学講座と言います。予定時間のちょっと前にその研究室に到着すると、白澤先生の明るい声が女性記者たちの笑い声に包まれながら聞こえてきました。日本のアンチエイジング研究の第一人者である白澤先生はいま、メディアのあいだで引っ張りだこです。

協会HP「クローズアップ!」取材班の目的は明瞭です。

白澤先生はなぜ、日本ファンクショナルダイエット協会を設立し、ケトジェニックダイエットを日本に広めようとしているのか?

その真意を改めて白澤先生自身に語ってもらおう、と考えました。前の取材が終わると休む間もなく、「じゃあ、やりましょうか」と、われわれ取材班をうながし、リクエストに応えて先生自身の研究歴を語り始めました。

白澤先生は千葉大の大学院で免疫学を研究テーマに選び、修了後、1990年から東京都老人総合研究所でアルツハイマー病の分子遺伝学に取り組むことになります。

当時、アルツハイマー病といえば、「原因不明で認知機能が衰え、どんどん進行して最後は寝たきりになる難病」と医学書に書かれていました。もちろん、臨床医も全員、不治の病であると考えていました。

奇しくも、若き白澤先生が老人総合研究所に入ったその年、アルツハイマー病の5個ある原因遺伝子のうちの3つが発見されました。医学の進歩によって、不治の病のメカニズムが急速に解き明かされはじめていたのです。

7年間、アルツハイマー病を研究した白澤研究室長(当時)は、ひとつの結論に至りました。それは、「アルツハイマー病は年をとるから発症する」というものでした。

「若い人は発症しない。若年性アルツハイマーでさえ、20代の人はならない。ということは、もしも年をとらなかったらアルツハイマー病は発症しないだろう、と考えた。アンチエイジグこそアルツハイマー病の究極のソリューションだと言ったわけです」

白澤研究員は大マジメだったのですが、
「『自由に意見を述べることはタダだし、いいね』なんて、皮肉言われて(笑)」。

あまりにラディカルな前提に医学界の反応はとても冷ややかだったそうです。白澤先生は自説を証明すべく、マウスを使った実験を考案します。まず、アルツハイマー病を発症するネズミを、アルツハイマー病の原因遺伝子をトランスジーン(遺伝子導入)してつくりだす。そのネズミにアンチエイジングの遺伝子を入れて、アルツハイマー病が発症しなければ、自説の半分は証明できる。

「僕の考えは2005年になって、すべて正しいことがわかってきてから、みんな、笑わなくなった。それまではボロクソ言われてました。僕の考えはようするに当たっていたんです。いくつもの研究室で証明されて、いまとなってはアルツハイマー病は予防できる、生活習慣病だ、と言われる一歩前まで来ました」

アルツハイマー病は1997年当時、ある物質が蓄積することによって発症する、と考えられていました。対して、白澤研究室長は、ある化学反応が起きるスピードが発症年齢を決めていると考えました。もし、その化学反応が起きるのを遅くすることができれば、アルツハイマー病は怖い病気ではない。

たとえば70歳ではなくて100歳で発症するような生活習慣が見つかれば、アルツハイマー病にかかる前に心臓病とかがんなど、ほかの病気で死んでしまうから……。

予防医学は治療医学よりパワフルである

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たとえ治療薬が見つからなくても、病は予防によって根治できる。白澤卓二先生は、いつもの笑みの下に不思議なほどラディカルな思想を持っている。「その点、革命家といってよいであろう」と司馬遼太郎なら書くかもしれません。

「いままでわれわれが征服して来た病気、たとえば結核をとっても、最終的にその病気を克服しているのは予防法なんですよ、治療法じゃなくて。抗結核剤は素晴らしい発見だったと思うけれど、実際にいま結核療養所にいるひとって、それでは治らない。

いま結核が怖くないのは、ワクチンで封じ込めることに成功して、世の中に結核菌がウロウロしていないからなんだよね。予防法なんです。封じ込めに成功していないところでは、大きな問題ですよ、ロシアとか刑務所にまん延しちゃて。予防法が確立しないと、病気は克服できません」

白澤先生がアンチエイジングによってアルツハイマーの発症を抑える研究を始めて10年も経たないうちに、いろいろなことがわかってきました。

たとえば、カレーの中に入っているクルクミンという物質は、脳で起きている化学反応のスピードを遅くする。だから、カレーを食べている人でアルツハイマー病の人は少ない。「治療薬なんかいらない。毎日カレー食べればいいという話です」と先生はにこやかに言い切ります。

インド人にアルツハイマーの人はいないのでしょうか?

「少ない。そういう論文がどんどん出始めたのが2005年ですね。で、最近、『アルツハイマー病の半分は生活習慣をコントロールすることによって発症しないだろう』と教科書で書かれるようになった。アルツハイマー病は生活習慣病に入る一歩手前です」

さらに白澤先生は現代医学の常識とされている考え方に疑問を抱きます。現代の医学は、病気の原因を解明し、治療方法を見いだすことを第一として来ました。

予防というのは治療の次のステップにある、とだれもが思い込んでいる。その前提は確実に間違っている、と白澤先生はこのような研究生活のなかで気づいたのです。

治療法はなくても予防できる!

であれば、それにこしたことはない。
では、いったいだれが、治療法を第一に考えなければならない、と決めたのか?
白澤先生はこう推理します。

「それは、おそらく製薬会社が考えたことですよ、薬を売るために。予防法がなくて、治療法があれば、永遠に儲かりますから」

まるで医療サスペンス・ドラマを見ているような成り行きに筆者は大いに驚愕しました。先生はさらにこう続けます。

「で、根本的に間違えていると思ったんです。治療法のみを考えて予防法を考えられなくなっていること自体、医学が歪んでいる。そう思いはじめたんです。いろいろ学会を見て、糖尿病学会、これ曲がっている、循環器病学会、完全に曲がった考えに基づいているね、ということに気づいた。

まともな学会はない。しようがないから、まともな学会をつくらなきゃならない。ということで、『抗加齢医学会』というのをつくった。アンチエイジングは予防医学だ、と定義して」


米国に同じことを考えている人たちがいた

抗加齢学会は白澤先生ひとりでつくったものではないけれど、ともかく「『抗加齢医学』は予防医学である」という画期的な定義を提案し、会員200人に過ぎなかった小さな学会を短期間で8000人以上にまで成長させることに成功しました。

「予防のことを言っている学会って、ないんだよね。治療ありき。新しい薬を開発するにはどうしたらいいんだ、ということばかりで、病気の予防法なんて誰も言っていない」

医療の闇は深くて暗い。でも、白澤先生は生来の明るさゆえなのか、絶望というものを知りません。

「だから、まずそのことをやる学術基盤を日本につくらなきゃいけない、ということで、最初につくったのが抗加齢医学会。で、非常に人気が出たんです。その次の取り組みは、慢性病。予防医学の重要性を説いても、すでに慢性病になってしまった人たちはたくさんいる。腰痛だとか関節リュウマチだとか治らないでしょ。だから薬漬けになる。次のターゲットはそこ。その人たちをどうしたらいいのか?」

いまの医学では、慢性的な病気の治療法は対処療法しかない。わかりやすくいえば、すべてが痛み止めで、なんら原因を除去する治療をやっていない、と先生は言います。

「僕はいろんな学会を見に行ったわけ。恐ろしいことにゼロだった。原因を除去するということは学会でなんらディスカッションもされていない。

ディスカッションされているのは、対処療法の薬のコンビネーションがどうのこうのとか、そういうことだけだった。それでもうひとつ学会をつくらなきゃいけないと思っていたら、アメリカで僕と同じことを考えている人たちがいたんです。それが機能性医学会(https://www.functionalmedicine.org) でした」

穀物で脳がおかしくなっている!

「ひとつの例を言いましょう。もうすぐ出るこの本『グレイン ブレイン』(『Grain Brain: The Surprising Truth about Wheat, Carbs, and Sugar--Your Brain's Silent Killers』)の著者は『機能性医学会』の重鎮です。デイヴィッド・パールムッター David Perlmutterという人ですが、この本で彼は脳のいろいろな病気は穀物を食べているからだ、というわけです。

だから穀物を食べなければ治る。これが原因治療です。ようするに小麦=パンで脳がおかしくなっているんだから、小麦を食べなきゃいい、そういう話。いまの治療医学は小麦を食べ続けて、頭痛薬を飲めばいいんだという考え方。わかるでしょ」

製薬会社の陰謀(!?)ですね。「脳のいろいろな病気」というのは具体的にどういう病気ですか?

「アルツハイマーもそうだし、脳というのはいろいろな影響を及ぼしているので、たくさんの病気にまたがっているんです。わかりやすく言えば、『小麦病』。原因を病名にするのは非常にわかりやすい。

僕は僕で、そういう名前をつけてますよ。
『白米中毒』ちょうだい」

『白米中毒』!? 研究室にいた秘書の方が、「はい」と返事して、白澤先生の著書棚から1冊出してくれました。『白米中毒』とは、2013年にアスペクトから上梓した本のタイトルでした。

「こういう、わかりやすい名前を付けた方がいい。『白米中毒』になっているんだから、白米をやめれば治るということです」

『白米中毒』って、画期的だと思うんですけれど、これはアルツハイマー病と同時に研究されていたんですか?

「まず、砂糖から始まったんです。諸悪の根源は砂糖だと僕は思った。それがこれ、『「砂糖」をやめれば10歳若返る!』(ベスト新書)です。砂糖が体を老化させているから、砂糖をやめれば老化を制御できて、若々しくいられる。この考えは、アルツハイマー病の化学反応のスピードを抑えることによって発症年齢を抑えられる、という考えの延長上にあったわけ」

砂糖が原因だということはどうしてわかったんですか?

「老化をコントロールしている遺伝子の研究論文が2000年以降すごく出て来た。それで、砂糖が分解するとNADHという物質が細胞の中にできて、このNADHは長寿遺伝子を不活性化、スイッチをオフにするということがわかった。それ、遺伝子側から調べていったら、出て来たのが砂糖だった」

白澤先生は250冊ある著書からいくつかの本を取り出して並べました。それがここに紹介する5冊で、いわば白澤理論のコア理論と考えるべきでしょう。ケトジェニックダイエットのアドバイザー必読の書とも言えます。

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アンチエイジングに関する白澤理論を概観するのに欠かせない5冊。2005年発行の『長寿と遺伝子』(日経BP社)から時計回りに、09年発行の『長寿遺伝子をオンにする生き方』(青春出版社)、12年発行の『「砂糖をやめれば10歳若返る!」(ベスト新書)ときて、13年2月発行の『白米中毒』(アスペクト)に至る。13年7月発行の『小麦は食べるな!』(日本文芸社)は翻訳。

白米との「離婚」に際しては「情けをかけるな」

かくしてアメリカの機能性医学学会と巡り合った白澤先生は、その理念に共感し、一般社団法人JFDA(日本ファンクショナルダイエット協会)を2013年9月に立ち上げます。キャッチフレーズは「食で日本を健康にします!」。ということは、日本はいま食で不健康なのでしょうか?

「そうです。中毒です。国民全体が中毒になっている」

でも、日本は世界最長寿の国です。

「それはたまたまそうなっているだけの話」

和食は健康的でバランスがよい、ということでユネスコの無形文化遺産になりました。

「それはなんと言うこともできます。まず、こう考えてみてください。日本人はお米イコール主食だと考えてますね。これがなかったら、食事が成り立たない。栄養学的にも重要だと思っている。

だけど、世界中に国が100以上あって、つまり100以上の食文化があって、お米が主食なんてことを言っているところはほとんどない。もしも栄養学的にお米が重要であれば、ほかの国の人たちは全部栄養不足で死んでなきゃいけない。じゃあ、お米は日本人の主食だ、ってなんだ? と僕は考えた。これはね、政治キャンペーンだったんだよ」

思わず絶句……! でも先生はシリアスです。

「もしも政治キャンペーンだったとすれば、それを国民に植え付けることによって儲かる人が考えたことだと思ったわけ。で、お米をつくっている人が儲かっただろうと思うんだよね。そういう人は自民党に票を入れた。だから自民党は安定政権だったんだ、と。

でも、もしもそれによって中毒になっているとしたら、罪な話です。自分たちが儲かるために国民を中毒にしていいのかという話。実際、中毒なんだよね。たとえば、東京駅のまわりにお店がいっぱいあるけど、ほとんど炭水化物です。お米からつくられたおせんべいとか、精製されたもので囲まれている……」

おいしいですよね。

「それが、中毒なんだって。いまの言葉が、もう、あなた、中毒ですね」

ははは(と笑ってごまかしました)。

「100人のうちの99人が『これ、美味しいよね』と言ったら、それは『美味しい』ということになります。昔は日本人の男性のほとんどがタバコを吸って、『これ、美味しいね』と言っていました。中毒って、そういうものです。アヘンをバーンと入れられて、『これ、いいね』と国民が中毒にさせられていたのがアヘン戦争でしょ」

だからといって「白米をやめろ」とはなんともラディカル、過激に思えます。稲作を営んで来た日本列島の住民にとって、かれこそ激烈な革命家というべきであろう。と司馬遼太郎なら書いたかもしれません。

「まずこの日本を解毒することが大事だよね、麻薬漬けになっているから」

『白米中毒』による一番悪いことはなんですか?

「糖質過多によって、糖尿病とかメタボになって、心筋梗塞、脳卒中……、あとがんになって死んでますよね、日本人」

全部、『白米中毒』のせいだった……!?

「白米をやめれば、死亡率がガーンと下がります。それと、みんな寝たきりになっている。老人病院にいくと、みんなベッドに横たわって、認知機能を失って、点滴を受けているだけです。『小麦は食べるな!』(日本文芸社)の著者のウイリアム・デイビス先生が、こう言っています(次の段落を朗読する)。

 ——小麦という不誠実で暴力的なパートナーとの「離婚」に際して、私のアドバイスは「情けをかけるな」、きっぱり決別する以外に道はない——。

白米も同じこと(ちなみに玄米は許されます)。ケトジェニックダイエットは単なる減量法ではない。長寿遺伝子のスイッチがオンになる、病気の有力な予防法であり、だからこそ白澤先生は「ケト検」を通して広めたいのです。

「炭水化物をやめてケトジェニック状態になった人は、白米を食べなくなります。そうすると、『なんであんな風に考えていたのか』と、みんな思うんです。『ケト検』の人は、白米を食べている人は中毒患者に見えてくる。タバコを吸っていた人が、やめるとタバコの煙が気になって耐えられないのと似たものがあります」

私たちは『白米中毒』に冒されていたのです!

アンチエイジングの本命

「ケト検」(ケトジェニックダイエットアドバイザー養成講座)の展望について教えてください。

「世の中には糖質制限ダイエットというものが流行っていて、その波に乗ってこのケトジェニックが広がっているという側面もあるんだけれども、われわれが注目しているのはケトン体というものの存在です。

ケトン体こそ、体にとってアンチエイジングで健康長寿なんだ、という科学的な証拠がここ数年で出て来た。で、これを普及する必要がある、と思っているんです。それがほかの糖質制限のグループと決定的に差別化している部分です。

ケトン体というのはβヒドロキシブチレート(β-hydroxybutyrate)という物質ですけれども、この物質の血中濃度が上がることによって体にいろいろな変化をもたらすことがわかってから、この研究は爆発的な展開をしているんです。いままで、カロリー制限で動物の寿命が延びるということがメインストリームだったんですよ、われわれ抗加齢の研究では。長生きするにはカロリー制限しろ、と言われていたぐらいです。

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2009年に発表されたカロリー制限の実験結果。AとBは27.6歳の年寄りサル。CとDはカロリー制限をした同い年のサル。 カロリー制限は病気の発症や老化を遅らせる、と考えられていた。

ところが、カロリー制限するとケトン体が出ていた、ということがわかった。カロリー制限で長寿になったんじゃなくて、カロリー制限したらケトン体が体の中にできたから、長寿になっていたり、病気を予防できていた、というふうにどんどん論文が切り替わってきた。

だからこれは、もう本命。アンチエイジングの本命ですね、このケトン体というのは。この1年で、『ケトン体の血中濃度を上げるような食事が一番健康的で長生きできる』というところに傾いて来ている」

カロリー制限しなくてもケトジェニックになる。それが赤身の牛肉ですね。

「そうです。ココナッツオイルもそう。カロリーを下げる必要はない。ケトジェニック濃度を上げればアンチエイジングになる」

先生の講義で、穀物をつくる以前の人類が食べていたパレオ(原始人)ダイエットこそケトジェニックダイエットだとおっしゃっています。ということは、原始人が現代に生きていたら、メチャクチャ長寿ですか?

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短絡的に考えてはいけない。

「そうとは限らない。そういうふうに短絡的に考えてはいけないんだよね。そういうふうに短絡的に考えてはいけない。寿命を延ばすことよりも、いま、あなたが死ぬ確率が高い、がん、心筋梗塞、脳卒中をいかに予防するかということがあなたにとっての非常に大きな課題です。死にますから。確実に寿命が短くなる。その病気にならなかったとしてもアルツハイマー病になったり骨粗鬆症になって社会に迷惑をかける可能性がありますよね」

家族に迷惑はかけたくないです。

「それには、自分が何歳まで生きるというよりも、社会に迷惑をかけないで、健康を維持するためにどうすればいいかということを考えた方がいい。そしたら、やっぱり予防ですよね、明らかに。

予防を食事でどうやるか、ということをしっかりやった方がいいんだけれども、そのことを学会ではやってないんだよね。お医者さん、知らないんですよ、そのことを。

医学書にも書かれてないんです。薬を使うことだけが書かれているんですよ、医学書に。だから僕は間違った方向に学会と医学は進んでいると考えている。すべては薬を売るためのロジックで展開しているんだよ」

大丈夫ですか、製薬会社を敵に回しちゃって……。怒られませんか? この質問が、笑顔の下に隠し持つ白澤先生のダイナマイトに火をつけました。

こんなゲームをやっていていいのか

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そろそろ目が覚めてもらいたい。

「だれが怒るんですか、製薬会社ですか」

学会も……。あっちが圧倒的に多数でしょう。

「そろそろ目が覚めてもらいたいですよね、エライ先生がたも。ウチの抗加齢医学会はもうメジャーリーグですよ、会員が8000人以上になっている。みんな驚いている、ほかの学会。開業の先生も気がついている。だから入ってくるんだ。僕の話を聞きたがっている。良心が残っている。だから入って来ている。

僕はドクターの良心に訴えている。これじゃいけない、薬バンバン出して、病気をつくっているんじゃないか、とうっすら気がついている。だから僕ははっきり言ってあげている。だから、医者がみんな集まってくる。日本ファンクショナルダイエット協会(JFDA)がガーンと大きくなって、2万人、3万人になれば、医療も変わってくる」

日本史上最大の激烈なる革命家——。司馬遼太郎ならそう書いたかもしれません。白澤先生は笑顔をこわばらせながら、しみじみと語ります。

「いまの介護なんてメチャクチャだよね、チューブ入れて胃瘻して、患者をつくっている以外のなにものでもない」

声が怒りで震えます。

「認知機能もない物体に栄養を入れているだけですから。だから良心の呵責、良心が傷んでいるんだって、それをやっている先生も。だから、点滴なんかやってもしようがないから、『生き甲斐だ、生き甲斐だ』と僕はバーーンと言っている。

で、いままでの学会の人たちは『生き甲斐? そんなんじゃなくて、ちゃんと胃瘻をやってあげろ』みたいに思っている。治療だと思っているんだよ。勘違い。勘違いというか、もうわかって勘違いしているという感じだよね、こうなってくると」

白澤先生はメチャクチャ怒っていたんですね。

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怒ってますよ。

「怒ってますよ。怒りますよ、もうここまできたら(笑)。だって、日本がそれでつぶれそうになっているんだから、医療費で。怒るよ。僕じゃなくても怒っているでしょ、もう。だから、ウチのJFDAにもこんなにドクターがどんどん来ている。みんな良心の呵責を感じているんだ。

開業の先生は毎日患者さんを見ているから。病院の経営を成り立たせるために、どさーっと薬を出さないといけない。でも良心の呵責がある。患者さんも、全部飲んでないとわかっている。でも、また出している。こんなゲームをやっていていいのか、という思いがある。だから、ダーッと来ている」

日本ファンクショナルダイエット協会とケトジェニックダイエットに込められた白澤卓二先生の思いというものを今回のインタビューから読みとっていただけましたら幸いです。

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白澤卓二

JFDA理事長

1958年、神奈川県生まれ。1990年千葉大大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。東京都老人総合研究所を経て、2007年-2015年9月、順天堂大学教授。専門は、寿命制御遺伝子の分子遺伝学、アルツハイマー病の分子生物学、アスリートの遺伝子研究。日本抗加齢医学会理事ほか、所属学会多数。著書は250冊を数える。