日本ファンクショナルダイエット協会
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特別編

乳がんサバイバーの座談会

〜がんから自分を守る食事法とは〜 Part2

ケトジェニックダイエットアドバイザーであり乳がん体験者でもある安河内美和子さん&國松雅子さん、そして南雲吉則先生の「命の食事」を受講した山本和美さんの座談会、第2回目。さて、3人の食生活と体調との関係は?

自己流の糖質制限で、健康は手に入らない!

山本:お二人はケトジェニックダイエットアドバイザーだから、食べ物を見るとそこにどれくらい糖質が入っているかわかりますか?

國松:ええ、予想がつく。

安河内:だいたい糖質がこれくらいあるなと、わかります。ケト検の実践レポート書くときに、自分が食べたものの栄養素の数値を記録していくんですが、私はあれをやって本当に良かったなと思います。自分の体の状態と食べ物が密接につながっていることを実感して。ホント、意識が変わりました。

國松:確かに確かに。その食材にどれぐらい何が含まれているか、今はアプリの栄養計算機できれいに全部出せますからね。実践レポートはすごく有効で、知識が本当に深くなった。

安河内:一般的にダイエットという言葉は「体重を落とす」とか「痩せる」という意味になってますけど…

國松:日本だと「痩せる」だけど、英語ならダイエットは「食事法」っていう意味ですもんね。

安河内:ケトジェニックダイエットを、痩せる目的で始める人もいるかもしれませんけど、言葉の語源としては減量とかじゃなくて、「治療としての食事」も含みますよね。私達がん患者にとっては、治療法という意味にもなるかと。

國松:ケトジェニックは、栄養のバランスを上手に取ることで健康効果が出るんですよね。そこを間違えないようにしないと。ただ単純に糖質を抜くだけでは、残念な結果になりかねない。

安河内:筋肉がなくなっちゃって、痩せほそっちゃう。間違った知識で糖質制限をするのは、白澤先生や斎藤先生が言われてる通り危険ですよ。

國松:そう、体を壊します。糖質を抜いたら何を補わなきゃいけないのか、何が必要なのか。食物繊維であったりミネラルであったり、タンパク質やオメガ3脂肪酸…、それらのバランスが取れないと、摂取エネルギーが少なくなるばかり。痩せはしてもいろいろな栄養素が足りなくて体に支障が出てしまう。そこがわかってないから、糖質を抜くだけの人が不健康になる。

安河内:摂るべき栄養の話が置いてきぼりになって、「糖質だけ抜けばいいのね」となっちゃってる人がすごく多い。糖質制限という言葉が一人歩きしてるんですよね。だからちゃんと講習やセミナーを受けて、正しい知識をつけたほうがいい。いろんな人がいろんなことを言ってますから、部分的に知識をかじって、あちこちつまみ食いみたいな情報の中で糖質制限をやってしまうと、間違った方向に行く可能性がありますね。

山本:そういえば以前、私、患者会のボランティアの最中に眠いと言ってたんですよね。

安河内:ああ、眠いって言ってた〜。

山本:「お米食べたから眠いんだよ〜」って安河内さんに言われて。

安河内:言ってましたね、私(笑)。だって、いつも眠い眠いって言ってたもの、会うたびに(笑)。

山本:それが今はないんです。でも、お米を止めてからそれがなくなったんです。絶対、糖質が関係していると身をもって知った。

國松:私は車の運転でそれがわかった。いつも大きなケーキを車で配達するんですけど、夕方の配達はすごく眠くなる(笑)。目を覚まそうと、そこで何か甘い物を食べちゃうんです、運転しながらかじれるようなもの。そこに缶コーヒーを飲んだりね。それで確かにそのときは目が覚めるんだけど、配達の帰りはさらに眠くなるという(笑)。

安河内:そうそうそうそう。そこでなぜ糖質を食べちゃうかと!今ならダメってわかりますよね。

國松:ケトジェニック食でその眠気がなくなった。

山本:そして、夜の睡眠が深くなる。

安河内:そうそう、今言おうと思った!寝付きが良くなるし、目覚めも良くなる。

山本:私、お二人のようにきちんと詳しくしくみがわかってないんですが、私の知ってる中で糖質を控えるだけで全然違うことが起きるんです。健康に近づいてる感じ。私はケト検をまだ受けていないので、南雲先生の「命の食事」の講義の知識がほとんど。でも、それを聞いて実践したからこそ安心感、保証みたいなものがあるんです。「だまされたと思って一回行ってみたらいいんですよ」って、まわりには言っています。

國松:そうね、体が変わるのは自分も嬉しいから、健康になろうというモチベーションも上がるし、ケト検にも出会って「私、生かされてる」という感じがあります。この感じ、みなさんに伝えたい。

安河内:実感したこと、体に良いとわかったことは一応伝えたいですよね。



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自分の体は自分で守る意識を持とう

山本:私、乳がんで知り合った友達たちと集まるたびに、「今日はどこで飲もうか」って、居酒屋さんを予約しちゃったりして。で、そこに行って何を食べるかというと、必ずポテトフライとかなんです。

後になって、イモ類は糖質が高いからNGと聞いて「え〜、ジャガイモが駄目だったの?!」とショックを受けました。だって、ものすごい食べてましたから、ポテトフライとか鶏の唐揚げとか。牛がいけないという意識があったんですね、ホルモン注射を打たれた牛を必要以上に食べるから、ホルモンバランスがおかしくなって乳がんになるのかなっていう勝手な認識で。

安河内:確かに、そんな不健康な牛はよくない。でも健康な牛なら積極的に摂るべきよね。

山本:「牛はダメだけど豚とか鶏は大丈夫でしょう」「鶏の唐揚げなら大丈夫よ」なんて言って、今考えれば糖質の高そうな春巻きなんかも、みんなでわーっと注文して、これまた糖質高いビール飲んだりとか…。そんなことをずっと続けてました(笑)。
そんなときに南雲先生とお話しする機会があって「糖質を取っちゃいけないんだよ」って聞いて。始めていろんなことがわかりました。悪いのは牛じゃない。唐揚げの衣や春巻きの皮のほうがダメなんだと!

國松:よかった!

山本:それと、私の”がん友”が再発してしまって、もう手術ができないという状態になって…。その時ちょうど南雲先生の「命の食事」というがん予防の講習があったので、友達のためにも勉強してみようと思ったんです。勉強した資料とかを、その友達に送ってあげたりしたんですけど。がんには糖質がよくない理由も話したら、「だって、病院の先生は何も教えてくれなかったじゃん。私、お砂糖が大好きだから、この何年間か食べた分はどうなるの?そんな食生活をずっと続けてたから私は再発したの?」と。
「いや、そういうことじゃなくて。私も含めてみんな不安を抱えてるのだから、食生活に気をつけて自分の体が楽になったり、もう少し自分の人生を長く楽しく過ごせたら、そのほうがいいんじゃない?」と話をしました。今、その友達も意識が変わりました。食事を変えてお薬を変えて、それが体に合っていたようでやっぱりすごく元気になった。

國松:食事の意識が変わるとポジティブになるというか、ずいぶん違う気がしますね。メンタル的な免疫力もすごいアップするんじゃないですか。

山本:ただ、私もまだ勉強不足なので、もっと知りたいんです。

國松:ケトジェニックダイエットに興味がある?

山本:そうですね。たとえばたまにケーキなんか食べて糖質を摂りすぎてしまったら、その日は何を食べたらいいのかを知りたい。元々私、線維筋痛症といういう体中が痛くなる持病もあって、すごく耐えがたい関節の痛みが出るんです。聞けば、ケトジェニックダイエットをやることで関節痛などが和らぐ人もいるというじゃないですか。リュウマチの人なんかも楽になったりとかね。自分が元々持ってる病気にも良いのだとしたら、すごく興味が沸きました。

安河内:食べ物の栄養成分がなんなく見渡せる感じになるのよね。ちょっとやってみたくなります?

山本:なりましたよー。もう、安河内さんのFacebookの美味しそうな食事を見て「ああ、そういうふうに気をつけるのね♪」と勉強させてもらってます。

安河内:乳がん患者の友達に聞いてみると「糖質が悪いとは聞くけど、でもやっぱりご飯は止められないよね」とか「パン止められないしね」って言うんです。現実的には糖質制限してないがんサバイバーが大多数な気がする。それが非常に残念なところで、私も一生懸命伝えてるんだけど、「そうは言ってもね、ご飯は美味しいものねえ」なんて言われる。

山本:「なんであなたがそこまで言うの?」みたない感じで言われたりとか。

國松:だいたい看病をするほうがいろんな情報を集めてくる。あれがいいんじゃないか、これがいいんじゃないかって。逆に本人のほうがきょとんとしていることも多いわね。先日もある人がステージ4の肺がんで。すると、友人達が「みんなで千羽鶴を作りましょう」って言うの。私自身ががんの当事者だったから「えーっ、そんなものもらっても…」って(笑)。
気持ちはうれしいかもしれないけど、結局治すのは自分じゃないですか、本人。そんなことより、がんが生きにくい環境、居心地が悪い体を作ることを教えてあげないといけない。食事を変えることに気が付いた人は、やっぱりぐっと良くなって顔色も良くなってくる。自信も出てくるのよね。自分で治すんだってことがうまく伝わるといいですよね。

安河内:私も乳がんになっていなかったら「糖質制限?え、何それ? 何言ってんの?」となっていたかもしれない。乳がんになるとそこで危機感が増すので、受け入れられますよね。同じようにがんを体験してるのに、危機感に至らない人がいるのがちょっと不思議…。

國松:そう、「そのまま糖質食べてたら死んじゃうよ」とも思うんだけど。

安河内:心配して言ってるのに「だって、美味しいんだもん」と言われちゃうとね(笑)。

山本:がんサバイバーの集まりに行くと、「手術して今こういう状態。でも自分はいいの、美味しいもの食べて、楽しく過ごす人生が好き」。そういう人たちか確かに多いんです。

國松:末期がんならそんなこと言っていられないでしょう。まだ修復できる状況なのに、なぜそれを捨てちゃうのかな。

安河内:これからが大切な時期なのに。

山本:そういう同じ考えの患者同士が自然と集まるというか…。食事を変えようという患者さんが集まるようになればいいんですよね。

Part3へ続く。

【参加者プロフィール】

日本ファンクショナルダイエット協会

安河内美和子さん

1959年3月13日生まれ。広告プロデューサー。
趣味はボールルームダンス。
ケトジェニックダイエットアドバイザーNo.136 「命の食事」チューター
≪安河内さんの乳がんの経過≫
2015年6月:入浴中に右胸のしこりに気づく。
同月、某大学病院にて検査、針生検実施。
同年7月:ステージⅠの浸潤がんと判明。
部分摘出+放射線治療をすすめられる。
自分が求める治療法かどうかをセカンドオピニオンも含めて比較検討、
「乳腺全摘、皮膚温存、同時再建」という答えを出す。
同年8月:全摘&同時再建手術(1泊のみ)
同年10月〜2016年3月:経口の抗がん剤服用。
2016年4月:ホルモン治療開始(10年間の予定)。

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國松雅子さん

1964年3月1日生まれ。パティシエ。
オーダーメイドケーキ専門店アロンジー主宰。
ケトジェニックダイエットアドバイザーNo.81
≪國松さんの乳がんの経過≫
2010年:初めての乳がん検診をきっかけに、
右胸に0.6㎜の悪性腫瘍が見つかり摘出手術。
2015年6月:乳がん検診で何も見つからなかったが、 何か嫌な感じが残り、細胞診を希望。そこで乳がんのステージ3B〜4と診断。
同年8月〜12月:抗がん剤治療1クール。
続けて次の抗がん剤投与の予定が、
ほぼがんが消えたということで抗がん剤治療は終了。
2016年3月:右胸摘出、左腋リンパ切除手術。

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山本和美さん

1969年8月23日生まれ。アロマハイストーンサロン主宰
癒しを提供すべく院内アロマの提案、
キャンドル&アロマハイストーン教室などを開催。
≪山本さんの乳がんの経過≫
2011年9月:乳がん検診で両側に乳がんが見つかる。
数回にわたる検査の結果、右側はリンパに転移、左側グレーゾーンの診断。
2012年1月:左はグレーのまま両側全摘手術、同時にエキスパンダー挿入。
2012年2月〜8月:抗ガン剤治療。
2012年8月:ホルモン療法開始(10年間の予定)。
2012年10月:乳房再建とインプラントの入れ替え手術。