日本ファンクショナルダイエット協会
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第22回

小安 正洋 さん

ケトジェニクダイエットアドバイザーNo.160(歯科医師、歯学博士、中目黒コヤス歯科 院長、ラッパー)

「低糖質・高タンパク質」が、自分と家族と患者さんを変えた!

歯科医師であり、ラッパーDr.COYASSであり、プライベートではよきパパでもある小安さん。糖質制限やケトン体というキーワードを、ラップに乗せて連呼したのは、この人が初めてに違いありません!それももちろん、ケトジェニックダイエットという健康的な食事法の拡散のため。デブ体型をウリにしていた過去から一転、自身もダイエットに成功し、クリニックの患者さんに栄養指導をするまでになった小安さんのヒミツに迫ります!

その人の食生活を変えることが歯の根本治療に


具体的な例としては?

例えば、本来なら全然気にならないようなことがずっと気になって「常に歯のこの辺が痛いような気がする」なんて言われる方。本人が感じてることなので完全に主訴なんですけれど、どう見ても歯には原因がない。歯をいじればそれが解消するかっていうと、しないんですよね。

過去の疾病について聞いてみると、「ああ、この人、やっぱりそういう食生活をしてきたんだな。栄養素が足りてないな」と見えてくる。いちばん多いのが鉄分やタンパク質が不足しているケースですね。

例えば木が枯れてきました。これは何が原因だろう、ここだけ殺虫剤でどうにかしようというんじゃなくて、森を見渡したらもっとわかる。さらに土地ごと見たら、あっ、ここは偏西風が吹いてるところだとか、大気汚染があるとか。あっ、隣からPM2.5が来てんだな、とかね。

体も同じで、歯だけ見てるんじゃなく全身が見れるようになってくると、この人の生活環境がどうなのかな、とわかるようになる。

今、皆さんスマホを使ってるじゃないですか。スマホ見る時って、みんな下を向くんです。そうすると下を向いた瞬間に、ボーリングの玉くらいの重さがある頭を、首の筋肉だけで支えることになる。

それは無理があるんですよね。だから必然的にぐっと噛み締めて、アゴの筋肉でサポートしないといけなくなる。そうすると普段から食いしばってる状態になる。

パソコンも今はほとんどノートパソコン。それはもれなく下を向きますからね。おかげで食いしばりする方はすごく増えていますね。もう、うちでは食いしばりや歯ぎしり防止のマウスピースばっかり作ってる気がします。

やっぱりあとは最近、筋トレが流行ってますからね。運動中も食いしばるし、ジムに行き出したことによって筋肉痛になって、それで夜間に食いしばりしているケースも多い。人間って、痛みがあると無意識にぐっと食いしばっちゃうんですよ。

例えば片方の足が痛いとして、ちょっとした動作で痛みを感じると食いしばってしまう。それで歯茎にストレスがかかって、歯茎が下がって知覚過敏になったりする。それは、歯だけ調整して様子見ましょうではダメなんです。「これ、まず筋肉痛を治さないとね」っていう話ですよね。

患者さんの食生活を変えたいというより、その方の生活すべてを見るために栄養療法を学んでいるわけですね?

そうです、そうです。極論を言っちゃうと、歯科のこれまでの治療はあくまで代替えの材料、人工材料に置き換える処置なんですよ。歯が虫歯になったら、削ってかぶせて治す。その治療の予後がいいという意味は、その人工材料が体の中で何年間ちゃんと機能するかということになる。

歯が何本もなくなっちゃいました。なのでインプラントを入れてよくなりました。でも、食生活がそれまでと一緒だったら、また同じことが起こるわけです。

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ずっと治療、治療、治療で、治療すればするほどどんどん自分の歯がなくなっていくので、最終的にはブリッジとかインプラントとか、場合によっては総入れ歯という方もいらっしゃいますし。

治すということは対症療法ではなくて、毎日の食生活から変えないと真の意味で治ったということはならない。

患者さんが自分の健康に対してどれだけの価値観を持ってるかということにつながってくる。僕らは専門家なので、患者さんに正しい価値観をやっぱり与えないといけない。ただその価値観を受けとめるかどうかは患者さんの問題。僕らが強要して絶対こうじゃなきゃだめだよ、というものでもないんですけど。

価値観というのは食生活も一緒で、「ケトジェニックな食生活にすると、肉食う量が増えるから、食費がすごくかかるんだよね」みたいなことを言う方も多いんですよ。でも将来的に病院にかかって治療費にお金かけるよりは、今かけておいたほうが絶対に将来的に安上がり。

食と栄養学って、時代とともに常にバージョンアップしてますよね。だから僕がシニアアドバイザーに認定された時よりも、今さらにいろんな論文とかも出てるし、どんどんアップデートされている。常に知識のバージョンアップっていうのは必要だと思います。

ただ、その中で僕、批判する人がいるというのがすごく嫌なんです。そもそも考え方が違うのに批判するって、なんか宗教批判みたいで。キリスト教がイスラム教を批判するじゃないけど、結局「その人とは僕、宗派が違うんだな」と思うだけ。

いろんな考え方があっていいと思うんです。僕はケトジェニックダイエットの考え方を支持しているけれど、「違うんじゃないの?」というのもあっていい。

ただ、極端に言っちゃうと、エビデンスや論文とかっていうのは、書いてる先生がどういう意図を持って書いてるかによって、データの出方も全然変わってくる。「これでうまくいった人がこれだけいるけど、悪くなった人もこんなにいる」とか書くじゃないですか。でも僕は、「よくなった人がそんなにいるんだったら、それでいいじゃん!」と思っちゃう派。

個人個人の患者さんの状態を見て、その方に提供できるものは、僕の知識の上にできている。だからそれでうまくいかないケースも出てくるかもしれない。それと同じ。

ケト検で勉強して、この知識を得たからといって、これが100%正しいんだ、とは思っていない。他にも目を向けて「ああ、なるほどね、こういう考え方もあるのね」ってフレキシブルに考えることで、もっともっと知識がバージョンアップされるかなと思います。

資格を取っておしまい、じゃない。さらにそこから派生するさまざまな事柄を丁寧にすくい上げて、せっかくの知識を大事にしていきたいなと思いますね。



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こやす・まさひろ

ケトジェニックダイエットアドバイザーNo.160 小安正洋。1978年4月24日生まれ。歯科医師、歯学博士であり、ラッパー。昭和大学歯学部卒業後、同大学歯学部歯科保存学講座美容歯科学部門に在籍。博士号取得、日本歯科審美学会認定医取得。2018年に「中目黒コヤス歯科」を開院。ミュージシャンとしては大学在学中の1999年に音楽活動を開始、2002年にMIC BANDITZでメジャーデビュー。歯科医師免許取得後も音楽活動は続け、2006年「デブパレード」結成。2011年の解散後は、クリエイター集団 E.P.Oのメンバーとして活躍。現在もラッパーDr.COYASSとして活動中。
中目黒コヤス歯科 https://dr-coyass.com/




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