日本ファンクショナルダイエット協会
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第22回

小安 正洋 さん

ケトジェニクダイエットアドバイザーNo.160(歯科医師、歯学博士、中目黒コヤス歯科 院長、ラッパー)

「低糖質・高タンパク質」が、自分と家族と患者さんを変えた!

歯科医師であり、ラッパーDr.COYASSであり、プライベートではよきパパでもある小安さん。糖質制限やケトン体というキーワードを、ラップに乗せて連呼したのは、この人が初めてに違いありません!それももちろん、ケトジェニックダイエットという健康的な食事法の拡散のため。デブ体型をウリにしていた過去から一転、自身もダイエットに成功し、クリニックの患者さんに栄養指導をするまでになった小安さんのヒミツに迫ります!

口の中は、その人の食生活そのものです!


例えば、どんなことがわかりますか?

例えば「あ、この人は、この口の中の状態からすると、グルテンを摂りまくってるだろうな」とか。

歯ぎしりしている人なんかは口の中を見ればすぐわかるんですが、「普段、パンをすごく食べてますよね?」とか「お昼食べた後、すごく眠くなりますよね?」なんて言うと、「えー、なんでわかるんですか。朝昼晩、全部パンですぅ」とかね(笑)。

血糖値の乱高下してる人は、グルコーススパイクがかなり起こってたりするので、寝ている間に低血糖状態になっていることが多く、そうすると歯ぎしりをしやすくなります。

甘い物をよく食べている人は当然虫歯になるし、歯周病にもなりやすい。ビタミンなんかが足りてなかったりすると、歯肉から出血が起こりやすかったり。

この方は食生活がうまくいっていなくて、リーキーガット症候群なんだろうな、とかも意外とわかります。タンパク質が全然代謝していないんだろうなと。

結局、粘膜も歯茎も骨も、全部コラーゲン。タイプ1コラーゲンというものでできていて、それを作る時に絶対にタンパク質と鉄分、ビタミンC、ビタミンDがないと作られない。歯肉がちゃんと作られてない人は、栄養素の何かが足りてない。

歯ぎしりや食いしばりが強い人は、その影響で骨がどんどんどんどん盛り上がってきて、ボコボコしてるんですよ、舌の下側とか。

この人はちょっと食いしばり強いなと思って食事の話をすると、これまた「えっ、なんでわかるんですか?!」みたいな感じ。でも、そこで「明日から食事変えてください」と言ってもなかなか難しいから、ちょっと意識してもらうように持っていく。それだけでも全然変わってくるんですよね。

日常生活の中で、少しでもいい状態になりたいという意識をもってもらいたい。「私、チョコレート好きだけど、普通の砂糖を使ったヤツじゃなくて、あその歯科で売ってる代用糖を使ったチョコにしてみようかな」とか。ほんの少しでも意識を変えてもらえるといいなと思ってます。

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それでクリニックでサプリも扱うようになったんですね?

そうです、サプリメントも置いたりしてます。本当はね、食生活だけで改善できるのが一番いいんですけど、これがまた難しい。本当に難しいと思うのは、食生活の批判って、なんだか人格批判に近い部分気がして。

だって食生活は「その人」が出るじゃないですか。僕らの体は食べてきた物でできているわけだから、その人の食事を真っ向から否定しちゃうと、その人の生き方を否定するみたいになってしまうこともある。だから意外と言うのを控えたほうがいいかな、と思うこともあって…。

例えば、甘党の人で「デザートを食べるのが趣味です」っていう人に「明日から食べちゃダメです」と言ったら、「それぐらいなら、もう私、死んだほうがいいです」みたいになるかもしれないでしょう。

この話、どこにつながるかというと、いわゆる依存症の治療なんです。ただただ医学的根拠で「これはダメだよ」と伝えても、その人がやめられるかというとそうじゃない。じゃあ、どうやってこの人を変えていけるかというと、やっぱり少しずつ話をして「ああ、やっぱりよくないよね」と、どこかで罪悪感を持ちながら行動してもらうしかない。



僕なんかも事故で怪我して、ようやく変わった。あれだけいろいろ薬を飲んでたのが、今は全く何も飲んでない。血圧の薬なんか、1回飲んだらもうずっと飲み続けなきゃいけないみたいに思ってる人もいますけど、全然やめられますから。

患者さん自身が、どこかで「あ、このままだとまずいな」って思わないと、たぶん行動変容は起こらない。

やっぱり口は、食べ物の入口でもあるけれど、病気の入口でもあるんですよ。メタボリックドミノという考え方があるんですが、そのドミノの最初が口の中なんですよね。

これがどんどん悪化して戻れない状況になってくると、最終的には歯がなくなって入れ歯になる。入れ歯でうまく噛めない、物が飲み込めない…、そうすると高齢者になった時に誤嚥性肺炎になったり。

あとは噛む力は全身の筋肉のバランスに影響してくるので、噛み合わせがうまくいってない人は転倒のリスクが高くなったり。そういうデータも出てるので、本当にこれからは歯をなくさないことがすごく大事。

これはやはり、食生活がすごく影響している。高齢者ですごく歯がしっかり残ってらっしゃる方は、肉もバリバリ食べれるんですよね。歯がなくなればなくなるほど、あまり噛まなくてもいい食べ物になるので、もれなくお粥かうどんなんですよ。

そうすると炭水化物しか食べなくなる。傾向としてタンパク質がどんどん減ってっていく。だから今、最近厚労省も、高齢者のタンパク質の量を増やしましょうと。時代的にやはり食生活の見直しの時期に来てるんだなと感じてます。



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歯科医師でありつつ、ラッパーでもあることで、誰よりケトジェニックダイエットを広められる立場にいますね?

ですです。曲で僕がやったのは、打首獄門同好会というバンドとのコラボ。最初はこれです。この曲では一般的な虫歯の知識を教育的に与えています。

「歯痛くて feat. Dr.COYASS」 by 打首獄門同好会

その後、僕がケトジェニックダイエットアドバイザーになったことがきっかけで、打首獄門同好会さんが出したシングルで「糖質制限ダイエットやってみた」という曲があります。これは僕が歌詞の監修してるんですよ。医学的におかしいところがないか、全部チェックして。

この歌詞を覚えておけば、とりあえず食べていい食材と食べちゃダメな食材がひと通り理解できるようになってるんです。実際に、この曲で打首獄門同好会のメンバーも体重が10kg減っちゃったんですよ。

「糖質制限ダイエットやってみた」by 打首獄門同好会

そしてケト検の年次総会で披露したのはケトジェニック・ラップ。こちらはずばりケトジェニクダイエットの歌詞で、ケトンケトン言っています。

「GET ON KETONE」 by Dr.COYASS (from E.P.O)

シニアアドバイアーにも認定されていますが、講座はどうでしたか?

シニアの講座は1年通してやるんで、得られる知識量も全然違う。いろいろな病気との関係も深くわかるので、受講してよかったと思います。

最近、不定愁訴で悩まれてるような患者さんがすごく多いんですよ。歯の痛みがどうこうとお話しされてるけど、これは歯科が原因じゃないな、とわかる。

例えば、前にかかった歯医者さんがとてもきれいな治療をされてて、確かに治療技術だけで見たらまったく問題ないし、噛み合わせのバランスも、すごく上手に治療してもらってるな、ということがわかるんだけれど、その患者さんはまだずっと不調で悩みを抱えたままになっている。

歯科というくくりで見たら、ほかの側面では治癒してない。精神的なものを抱えていたりね。そこで何か少し食生活へのアプローチをするだけで、患者さんの考え方が変わってきたりすることはあります。



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