日本ファンクショナルダイエット協会
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第22回

小安 正洋 さん

ケトジェニクダイエットアドバイザーNo.160(歯科医師、歯学博士、中目黒コヤス歯科 院長、ラッパー)

「低糖質・高タンパク質」が、自分と家族と患者さんを変えた!

歯科医師であり、ラッパーDr.COYASSであり、プライベートではよきパパでもある小安さん。糖質制限やケトン体というキーワードを、ラップに乗せて連呼したのは、この人が初めてに違いありません!それももちろん、ケトジェニックダイエットという健康的な食事法の拡散のため。デブ体型をウリにしていた過去から一転、自身もダイエットに成功し、クリニックの患者さんに栄養指導をするまでになった小安さんのヒミツに迫ります!

30kgのダイエットに成功!その先に待っていたもの


ずばり、ケト検(ケトジェニックダイエットアドバイザー養成講座)を受けたきっかけは?

大学病院にいた頃まで、体重が今より30kgくらい多かったんですよ。もともとミュージシャンもやっていたんですが、体重が100kg以上あるミュージシャンが集まって結成した「デブパレード(DEV PARADE)」という名前のバンドを組んでいたり、けっこうデブ体型をウリにしてた。

その後、交通事故に遭ったんです。車にひかれちゃったんですけど、皮下脂肪が多かったせいで全身エアバッグみたいな感じだったから(笑)、脱臼程度で済んだんです。

その後、リハビリしてる時に、さすがに100kg超えの体重が自分の足かせになってきて、神経もちょっと切れていたこともあって、リハビリがうまく行かない。なかなか痛みが取れないので、これは物理的に体重を減らさないとさすがにまずいな~と思っていました。

ちょうど「糖質制限」というものが世に出てきたくらいの時期で、それがとても気になっていたんですが「なぜこのメカニズムで痩せたりするのかな」と思っていて、まずは自己流でやってみたんです。

自己流とはいえ、昭和大学は医学部もあり、友人のメタボ外来専門の先生に3カ月に一度くらい血液検査のデータを取ってもらって、数値的に調べながら糖質制限をやってみたんです。

当時は100kgもあったんで、当然ありとあらゆる血液検査の数値が異常値を叩き出していて、血液検査のデータだけ見たら、「これ、入院だよな」くらいの数値がいくつも出てたんですよ。

いろんな数値が異常で、薬を飲んでましたから。高血圧だし、痛風もあったし、血糖値も狂っていたし、コレステロール値もけっこう高くて…、いろいろな薬を飲んでました。

それが、糖質制限によって、投薬は一切なしで全部正常値になっちゃった。「これはすごいな」と思いました。今は全く何も飲んでないんですけど。

正常値になったことにびっくりして、これはもう普通に臨床応用できるレベルだなと思った。でも、自分の実体験はたまたまかもしれないから、臨床に応用するにあたっては、ちゃんと勉強しなきゃならないな、と。

その後、いろいろ本を読んでいたら、白澤卓二先生や斎藤糧三先生の本にも出会いまして、検索してケト検(ケトジェニックダイエットアドバイザー養成講座)というものを見つけ、「あっ、これじゃん!」と思って、それで受講したんですよ。

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実際、ケト検を受けてみてどうでしたか?

自分が今まで疑問に思っていたこと、どういうメカニズムで痩せるのかという部分がすっきり解決しましたね。そして、ケトジェニックダイエットがただのダイエットじゃなく、健康になる食事法だったということ、アルツハイマーやがん、ほかの疾病に対しても効果があるということを知った。

最近は、全身疾患を持たれてる患者さんも多いんですが、そのような患者さんに食生活や栄養の話をすると「ああ、なるほど!」と納得してくださるようになったので、自分の知識としてもかなりバージョンアップできたと思います。

ケト検を受けていちばん印象的だったのは、やはり、ケトン体の効果がどれだけすごいか、です。結局、糖質を摂り過ぎていると、糖の代謝のほうが優先されるので、いろいろよくないことが起こる。何より、エネルギーをつくるミトコンドリアの機能が非常に落ちるということ。

すべての講義内容において、必ずミトコンドリアがからんでくる。そういった意味でいかに効率よくエネルギー代謝を回すか、が重要。自分が100kgあった時の食生活をそれに当てはめると、すごく腑に落ちるんです、なるほどそういうことかと。

確かにタンパク質もたくさん摂っていたけど、それ以上に炭水化物を摂りすぎてた。まさに「カレーは飲み物」とか言ってたんですよ。飲んでる場合じゃないよね、本当に(笑)。



「エブリデー カレーライス!」から激変した食生活


それまでは、どんな食生活だったんですか?

体重100kgもあったし、エブリデー、カレーライス!の人間だったんで(笑)。当時はもうカレーとラーメンくらいしかほぼ食べてなかったですね。ラーメン、つけ麺、あと焼肉。野菜は食べない。野菜はウサギちゃんにあげてくださいって感じでしたね(笑)。

小さい頃から野菜嫌いでしたか?

小っちゃい時もあんまり食べてなかったですね。そこからすると、いまの食生活はかなり変わった。例えば、緑黄色野菜はもちろん、トマトやアボカドなんかも少し前まで全然食べられなかったんですよ。そういったのもすんなり食べれるようになった。ケトジェニックダイエットによって、味覚がそうとう変わったんだと思います。

やっぱり僕らの食事は、白米ありきで味付けされていたんだな、というのをすごく感じた。それじゃあ必然的に味も濃くなる。糖質と塩分が多いってこと。

白米を食べないことで、おかず自体の味付けもかなり薄くても大丈夫になったし、素材の味が以前よりはるかに美味しく感じれられる。そういった意味で、すごくグルメになったというか、味覚が冴えたな、という感じがしてます。



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食生活が変わったことで、奥さまやご家族はびっくり?

そうそう。当時、糖質制限はまだ全然認知されてなかったし、最初は僕がそういう食生活をすることで一人だけメニューを変えなきゃいけないから、けっこうクレームもんで(笑)。奥さんには「あんただけ別に用意するの、超めんどくさいんだけど~」みたいに言われたりとか。

でも、気がついたら我が家では夕飯にわざわざお米を炊く機会も減ったので、いつのまにか子どもたちも、絶対にお米を食べなきゃいけない食事ではなくなったんです。

自己流の糖質制限とケト検を受けてからの違いは?

自己流でやっていた時は、基本的には糖質制限してタンパク質量はキープ、というだけ。食物繊維なんか全然摂っていなかったので、腸内環境が悪化してましたね。

ケト検を受けて、他の栄養素の重要性、オメガ3脂肪酸の話とか、食物繊維の大切さとかがよくわかった。そのへんはバージョンアップして食生活に取り入れました。

自己流の糖質制限では体調崩される方も当然だいうことがすごくわかりましたね。自己流では風邪をひきやすくなったりは当然でしょうけど。糖代謝だったのが急にケトン代謝に切り替わる時に、頭痛が起こったり…。

あと、ほかに疾患があって薬飲まれてる方が急に糖質制限したときのトラブルも。例えば血圧が高い人が糖質制限で急に体重が減って血圧が戻ったのに、まだ降圧剤飲んでたりすると、ふらふらする、なんていう話も聞きます。

そのあたりは医師の診断のもと、断薬するのであればちゃんと糖質制限の知識のある先生のところを受診されたほうがいいと思いますし。目標とするゴールや考え方も担当医によって違うので、その先生が糖質制限に理解があるかどうか、そういう部分もちゃんと見てほしいなと思います。

例えば、糖質制限やケトジェニックダイエットに理解がある歯医者さんとない歯医者さんでは、どう違いますか?

例えば子どもの虫歯。子どもが虫歯になって、歯医者がそれを治してあげて、お母さんお父さんとかに「甘い物は控えてくださいね」と話はする。だけど、甘い物を控えると言っても、具体的にどのレベルまで控えればいいか、なんて話をできる先生は意外といないでしょう。

1日何g以下に、と言っても、それがどのくらいの量なのか父兄の方もわからない。それこそ「じゃあ、甘い物がダメなら、おせんべいならいいですよね」みたいな(笑)。「いや、そんなのダメでしょ」みたいなレベル(笑)。

何をもって糖質というのか、指導ができなければ、父兄の方もわかるはずがない。僕のクリニックでは、その辺はすごく細かく説明させてもらってます。

例えば「ちなみに、あたりめは食べれますか? お子さんのおやつには、あたりめをしゃぶらせてあげてください」ってよく言います。

あたりめは糖質量も少ないし、噛むことによって唾液の分泌量も増えるし、あごの骨にも刺激が行くんで、あごの発達にもいい。お菓子についても全部ダメダメじゃなく「このお菓子はダメだけど、これとこれならいいよ」というアドバイスもします。

ちなみに「僕も子どもがいますが、家の中にジュースがないんですよ」という話をすると、「えっ?」と驚かれます。ほんと、基本、うちは家の中にお菓子もジュースも置いてないんです。



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