日本ファンクショナルダイエット協会
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第20回

塚原 妹美さん

ケトジェニクダイエットアドバイザーNo.029(歯科医師/医療法人社団宏礼会)

歯の病気の根本治療は「低糖質&高タンパク質」から!

口腔外科の専門医を経て、歯科クリニックを開業。歯の総合診療医として30年以上のキャリアを積む中、ケトジェニックダイエットに引き寄せられたのは、ご自身が乳がんを患ったことがきっかけでした。自分にとっての健康的な食事法としてだけでなく、歯科の病気を根本的に治療するための食事、お年寄りの「オーラルフレイル」予防として、子どもが健全に育つための食事として、ケトジェニックダイエットの考え方を広めようとしています。

歯科衛生士も栄養について学び、食事指導をする時代


直接指導をするのは歯科衛生士さんのことが多いですか?

衛生士の仕事はものすごく重要で、歯科医師よりも患者さんに近い立場にいますので、私たちよりもっと親しく指導が聞いてもらえるんじゃないかと。これからは衛生士による食事指導も必要だと思っています。

患者さんに少し指導する上では、自分たちが知らなきゃいけないと思って、スタッフみんなで時々勉強会をやったりするんです。

血糖値についてもやりました。みんなにいつも食事をしてもらってどのくらい血糖値が上がるのか測ったり。同じ物を食べて、それぞれどうなるかを測定したら、その人その人で全然違うんですよね。若い人だと血糖値があまり上がらないこともあったりして、個人差が大きいとわかりました。

歯科衛生士さんは女性が多いので、結婚して仕事をやめてしまう方もけっこう多く、足りないんです。なので、やめてしまっていた歯科衛生士さんを掘り起こすっていうこともすごく大事。復職するための教育をすることも、これからすごく重要だなと思っています。

今、うちでは管理栄養士さんも勤めてくださっているんです。実は、歯科助手として募集すると管理栄養士さんがけっこう応募してくださるんですね。管理栄養士としての力量を生かせる仕事がなかなかなかったりするようで。

栄養療法やっているとか、食事に重きを置いてるとホームページに書いていたりするので、管理栄養士さんがけっこう見て来てくださるんです。

まだ管理栄養士の仕事だけをしてもらっているわけではなく、歯科助手をしてもらいながらですけど。患者さんの食べやすいメニューや、子どもならどういうおやつを食べたらいいかなんていうのを考えてもらっています。管理栄養士さんがいる歯科もこれから増えてくるかもしれないですね。

わりと初期にシニアアドバイザーには認定されていましたよね。最初の頃の授業は難しかったんじゃないですか?

シニアコースが始まって第1回目だったので、だいぶ難しくて(笑)。白澤先生が大学院で講義するような内容。本当に難しくはあったんですけど、白澤先生ご自身がとても面白いと感じながら講義されていたので、すごく興味深くて面白かったです。

私は認定されてからも、シニアアドバイザーの講義をもう1周受講させてもらったんです。初回の1年間よりも、わかりやすい講義になっていましたし、1回でわからなかったことをもう一度聞いたり、その都度その都度、最新の情報を聞けるのがとても良かった。

各疾患、糖尿病やアルツハイマーに対するケトジェニックダイエットの効果が、エビデンスで示されていたり、アスリートや子ども、いろんな分野で活用されていることも興味深かったです。

講義で聞いたことが、クリニックの治療にも生かされていますか?

例えば私の歯科の患者さんを見ていて、糖尿病の方もたくさんいらっしゃるんですね。糖尿病の患者さんにとって薬はもちろん大事だとは思うんですが「薬を飲んでいればいいや」っていう感じの患者さんがやっぱり多い。

薬でコントロールできてるんだからと、食事はそんな気にしてない。それじゃあ薬でただ抑えてるだけで、糖尿病が治ってるわけではないんです。

根本的に治すにはやはり食事しかない。そこを勉強できたのがすごく有意義でした。もちろん糖尿病を歯科で治すわけではないので、糖尿病の患者さんに直接的にそういう指導をできるわけではないですが、生活習慣としての食事を見直してもらうのはすごく大事だと思って指導しています。

大人でもお子さんでも、食事記録を3日間ぐらい続けて書いてもらうんです。そこで糖質の量やタンパク質の量を計算して、どれだけ糖質が多いかタンパク質が摂れていないかを認識してもらう。

その上で、まずは過剰な糖質をできるだけ少なくしてもらう。糖質も必要なので全部なくすわけではないですけど、いわゆる白糖など精製された糖質をできるだけ削除してもらう。

その代わりにタンパク質や植物繊維、ビタミンミネラルを増やしてもらう。少しずつっていう感じですね。

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食事と栄養はもちろん、お口の環境を整える大切さを伝えたい!


理解していただくのがなかなか難しいこともありますか?

その場では「ああ、そうなんですね。知らなかった」とわかってくださるんですけど、いざ実践する時に、今までの食事からなかなか離れられない方も多くて。

やはりご飯やパン、麺などのいわゆる主食を少なくするっていうことに抵抗がある。あと甘い物は、子どもだとまわりが食べてるとやっぱりほしくなるんです。

そもそも味を知っているから、そこから離れられなくなる。知らなければそんなにほしくないはずなんですけど、一度知ってしまうと特に子どもは修正するのが難しい。やはり最初の段階の指導が本当は重要なのかな、と思いますね。

ケトジェニックダイエットを今後どう広めていきたいですか?

私の同年代はちょうど更年期にあたるので、代謝も悪くなるし、いろんな症状も出てきますし、何よりがん年齢でもあります。きちんと考えて食事をする大切さを一緒に考えていきたいと思います。

健康な間は「別に大丈夫」と思うでしょうけど、健康なうちに健康的な食生活に慣れておけば楽ですし、それが一番いいのかなと。

しかも、ケトジェニックダイエットは、代謝が悪くなって体重が落ちない、何やっても落ちない、という人こそ実感しやすい。

きっかけは体重、痩せることでもいいかなと思ってるんです。本当に3週間、たった3週間真剣に頑張れば、脂肪が落ちることやいろいろないい変化を誰でも実感できると思うので。

それに一生続けてください、というものではないですよね。ファンクショナルダイエット協会でも、厳密なケトジェニックダイエットを1カ月以上続ける場合には、ドクターと相談してやるようにという注意もあったと思います。

「一度ちょっと始めてみませんか」っていう感じでおすすめしたい。食事を変えるのは自分からできることですし、自分が動けばいいこと。お金のかからない治療法というか、私たちの年代には最適かなと思います。

歯科医としては、子どもからお年寄りまですべての人に、食事の大切さを伝えたい。でも、体を作るのは確かに栄養だけど、受け入れる体制が整っていないとちゃんと消化吸収できないから意味がないですからね。

消化の最初のところ、つまりお口の中をまず整えることが大事なんですよ、と伝えていこうと思います。



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つかはら・まいみ

ケトジェニックダイエットアドバイザーNo.029 塚原妹美。1963年10月10日生まれ。歯科医師。大学病院の口腔外科で10年余り口腔外科専門医として勤務しながら、口腔機能の重要性を認識。その後、一般開業医として地域医療に従事。40歳を過ぎてから、がんなどの疾患を経験し、生活習慣、特に食習慣が健康に及ぼす影響を痛感。オーソモレキュラー栄養療法を学んだことからケトジェニックダイエットに出会う。生きるために必要な「食べる(咀嚼する、味わう、消化する、飲み込む)」という機能を回復し、口腔を健康にしていくことで予防医学の一端を担い、歯科医師の立場から食の大切さを伝えていきたいと切に願う。
塚原デンタルクリニック https://www.haisha.jp 
行徳TM歯科 www.gyotoku-tm.com






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