日本ファンクショナルダイエット協会
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第20回

塚原 妹美さん

ケトジェニクダイエットアドバイザーNo.029(歯科医師/医療法人社団宏礼会)

歯の病気の根本治療は「低糖質&高タンパク質」から!

口腔外科の専門医を経て、歯科クリニックを開業。歯の総合診療医として30年以上のキャリアを積む中、ケトジェニックダイエットに引き寄せられたのは、ご自身が乳がんを患ったことがきっかけでした。自分にとっての健康的な食事法としてだけでなく、歯科の病気を根本的に治療するための食事、お年寄りの「オーラルフレイル」予防として、子どもが健全に育つための食事として、ケトジェニックダイエットの考え方を広めようとしています。

糖質を摂り過ぎている人は、口の中にもトラブルが!


ご家族も食生活に関して同じような考えですか?

そうですね。同じ歯科医師や医師として一緒に働いていますし、全身の健康に関してもすごく考えるようになりましたし。同じ方向を向いて健康について考えてると思います。

歯科では昔から、いわゆるお砂糖を摂りすぎると虫歯になると言われていて、シュガーフリーの考え方がもともと根付いているんです。あとは歯科の疾患は持っているけど他は健康だという方が多いので、その予防医療の導入には食事の改善はすごくいいと思うんです。

お口の中は、誰でも自分で見ることができますよね。出血してるとか歯茎が腫れてるとか、舌がヒリヒリするとか。例えば胃が痛いからといって胃を自分で覗いてみることはできないですけど、口の中は見ることができるので、その変化にも気づきやすいんです、患者さんも。

やっぱり食事の影響が口腔内にすごく現れるんですよ。お砂糖をたくさん摂っていたりすると歯肉が赤くなったり出血しやすくなったり、歯周病にもなる。カンジダもお砂糖を摂っている人は増えますから。

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逆に言えば、口の中を見るとその方の食生活や栄養状態がわかっちゃいますね?

ある程度そうですね。糖質過多だとお口の中もむくむんですよ。舌がすごくむくむ。糖質が水分を溜め込むからなんですが。

あとは糖質を多く摂っている人は基本的にタンパク質が摂れていないので、粘膜が弱かったりします。すぐ出血したり、粘膜が剥がれてきたり。若い女性でビタミンもミネラルもタンパク質も全然足りてない方なんかの粘膜は、触っただけで傷ついてしまう。

みなさんそれが自分の食べてる物から起きてる症状だという自覚がない。で、食事を変えていただくと変化が目で見てわかるので、認識していただける。しかも、お口の中が変わってくると体全体の健康も意識するようになるんです。

そもそも歯科って慢性疾患なんですよ。自覚がないうちに進んでいくことが多いんですね。自覚した時には相当進んでる。

虫歯も初期には気づかないし、だんだん悪くなって神経に近づいていくと痛くなってくる。その時にはもう神経取らなきゃいけない事態になったり。

歯医者に来るの、みんな好きじゃないですよね。もうぎりぎりになって意を決して来るとか、けっこう悪くなってから来る患者さんが多いんです。ただ、その前で食い止めてあげられれば、治療は簡単に済むことが多いですし、楽なことも多いんです。

「慢性疾患のドミノ」ってよく言われますが、歯科はドミノの最初の段階にあるんですね。だから、そこで食い止めてあげれば命を落とすような慢性疾患を防いであげられるんじゃないかな、とすごく感じています。

最初に食い止めるのは、やはり食事の改善でしょうか?

もちろん食事がすごく大事。あとは、高齢者のフレイル(健常から要介護へ移行する中間の段階のこと)が話題になっていますよね。しかも「オーラルフレイル」といって、体の衰えは口腔機能の低下から始まることもわかってきています。

お口は食事が入る場所なので、栄養を摂取する上ですごく大事。せっかくいい物を食べてもちゃんと噛んで消化され、吸収されなければ体はつくられない。まずはお口を整えてあげることが重要ですよね。



食べる物次第で、子どもの身体機能や健康に大きな差


お年寄りもですが、子どものお口の環境もですね?

そうなんです。今は子どもも、柔らかい食事ばかり食べていて顎が発達しないので、みんな顎が小さいんですよ。顎が小さい、上顎が小さいということは鼻も小さいんです。鼻腔が小さいので、鼻呼吸ができない子どもがすごく多い。

鼻呼吸ができないと口呼吸になります。で、口呼吸になるとさまざまな病気を引き起こすんです、アレルギーとか。

口呼吸だと口が乾く。唾液が出ていたとしてもなくなってしまう。唾液にはたくさんの素晴らしい物質が入っていて、消化も免疫も抗菌作用もそうですし、粘膜を保護する作用もありますし…、なので唾液はなくなってはいけない。

唾液が少なくなると今度は味覚も衰えるんです。しかも鼻が詰まってたり、鼻腔が狭いと匂いもわからなくなりますよね。

すると、子どもの頃から味がわからないので味の濃い物を食べることが多かったり。鼻が詰まっていれば口の中に物を入れると呼吸ができなくて苦しいので、噛まなくなるんです。噛まないで済む食べ物ばかり食べることになるんですね。



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ご飯の時にお水を置いて、それで流し込んでしまうお子さんもいます。それでは消化も悪くなりますし、食べても結局は栄養になっていないわけです。

そして口を開けてるほうが呼吸がしやすいので、お子さんは姿勢も悪くなります。一生懸命息を吸おうと思って頭も前に落ちてきますから。

夜寝る時も苦しいので寝相が悪くなったり、おねしょが止まらなかったり。運動機能ももちろん落ちますし、集中力がなくなるので学習機能も落ちてきたりします。

根本はよく噛むということ。子どもの頃に食べた物は大人になっても好きなので、だからこそしっかり味覚を発達させる、よく噛んで顎を発達させるような食事を教育する。それはお母さまやお父さまに伝えていきたいです。



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