日本ファンクショナルダイエット協会
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第12回

林美佐子さんと日南麻衣さん

ケトジェニックでママと赤ちゃんを応援中

神戸で「りんご助産院」という助産院を営む林美佐子さんと、林さんと仲良しの管理栄養士の日南麻衣さんをご紹介します。ケトジェニックダイエットで産前産後のママに寄り添い、ケトジェニックダイエットの離乳食を提案する、おふたりです。

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りんご助産院の林美佐子院長




子育て中のお母さんを助けたい


神戸市郊外の新興住宅地に、林美佐子さんが「りんご助産院」を開業したのは2012年のことです。産後のお母さんの母乳のケアや育児相談をする助産院です。それというのも、自分自身が育児に悩み、子育て中のお母さんを助けたい、と思い立ったからです。

お子さんが1歳の時から、看護学校に3年、助産師学校に1年、計4年も勉強したのですからスゴい。と申し上げると、林さんはこう答えました。

「それぐらい困ったんです、自分が育児に。たとえば、英会話を上達したかったら英会話の学校行ったりしますけど、育児のことを教えてくれるところがどこにも見当たらなくて、誰に聞いたらいいかわからない」

昔だったら、おばあちゃん、お母さんのお母さんとか近所のおばさんとか、ということになるのでしょうけれど、現代はご存知の通りの世の中で、大都市郊外の住宅地となれば、推さずとも知るべしです。

「結婚から出産、育児って、女性がすごく変わる時期だと思うんです。ライフスタイルにしても何から何まで。その時期というのはもっとサポートが必要なんじゃないかと思って、自分がその仕事をしたくって、助産師になったんです。もちろん学校を卒業してからすぐは病院勤務でお産に携わっていたんですけど、数年してそもそもしたかった仕事を開業しました」

ケトジェニックダイエットとの出会いは深夜のネット検索でした。

「産後のお母さんのケアをしていて、どうしたら産後のお母さんがもっと健康になれるんだろう、と調べていたんです。産後のお母さんはすごく疲れてらっしゃるんですね。栄養状態もボロボロなお母さんにどんな食べ物を勧めてあげたら簡単で効果的なのか、ちょっとわからなかったので悩んでいたんです。そんな時にあるドクターの講演を聞く機会があって、その時に「糖質を摂りすぎないこと」とか、「たんぱく質とか栄養をしっかり摂らないといけない」とかいうお話をされて、けっこうむずかしい内容だったんですけど、あ、ほんまやと、ストーンと腑に落ちたんです。

そっから、あ、今まで教科書で習ったこととか、先輩から当然のように受け継がれてきたことって果たしてホンマかなというふうに思って、もしかしたらこの先生が言っていることのほうが正しくて、私は、妊婦さんに『お腹が空いたら何食べたらいい?』と聞かれると、『おにぎり食べてね』と言ってたんですけど、ほんまにそれでよかったのかなという気持ちになって、そこからずっと調べていったら、『ケトジェニックダイエットアドバイザー養成講座』、ケト検®のことを見つけて、速攻、夜中の3時ぐらいでしたけど、その場で申し込みました」

それが2014年のことで、林さんはこう確信したそうです。

「絶対これで、いろんな人を救えると思いました」



ケトジェニックダイエットの作り置き

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2016年3月に開いたセミナーより


「ケト検®の課題、自分の体を使ってのケトジェニックダイエットの実験レポートはむずかしかったそうです。というのも、「家庭もあって子育てもして、その中での実践」だったからです。

「自分が忙しすぎて3食食べられなかったりして、『自分がこれじゃあ子育てでヒーヒー言って忙しいお母さん、できないよね』と思ったんですよ。そこで何回か挫折しながら工夫して、料理の作り置きの方法とか、どんなに忙しくても、私みたいに料理が苦手な人でも、簡単にどこでも手に入る材料で、しかも安価につくれるように工夫しようと思ったんです。そのへんがなんとかなって、自分も3週間のレポートのための食事もできたんで、一石二鳥やったなと思ってるんです。

たとえばサラダでもその都度つくらなあかんわけではなくって、作り置きもできる。煮物を多くつくっておいて、肉は焼きたてが美味しいので、あとは肉焼くだけとか野菜切るだけ、みたいにしておく感じです」

近頃、作り置きの本が料理のコーナーでは人気ですが、林さんはケトジェニックダイエットの作り置きを実践したわけです。そして、りんご助産院の門を叩くお母さんたちに、りんご助産院流のケトジェニックダイエットを紹介しているそうです。

「やっぱりダイエットをしたいと思ってやるひとと、おっぱいをたくさん出したいではちょっと違うので、ある程度工夫はしてますけど、基本はケトジェニックダイエットの食事内容を勧めています」

ケトジェニックダイエットだと、おっぱいもいっぱい出るんですか?

「おっぱいって、血液からできているんですよ。お母さんの栄養状態が悪かったら、おっぱいの質も悪いし、出ないんです。お母さんの健康を維持するだけで体が必死な状態だと、赤ちゃんに分け与えようというところまでいかない。でも、ケトジェニックダイエットに切り替えると、母乳不足感がなくなってきたり、乳腺炎もだいぶなくなってきたり、母乳がよく出るから赤ちゃんの体重も増えてきたりするんです」

ケトジェニックダイエット恐るべしです!



粗食がいいと信じていた

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講義中の管理栄養士の日南麻衣さん



管理栄養士で栄養カウンセラーの日南麻衣さんとは、たまたまご近所で、糖質制限を通じて知り合いになりました。取材時には3人目のお子さんをご懐妊中でした。

「りんご助産院さんには母乳外来で、いま2歳半の子の卒乳の時にお世話になりました。おっぱいのマッサージで。その前から知り合いではあったんですけど、りんご助産院さん、お茶会を開いているんですけど、そこに参加させてもらっているママでした」

林院長は、育児を孤独にこなしているお母さんを対象に、「リラっかるお茶会」、みんなで集まってリラックスして軽くなりましょう、という会を当時は神戸の海を見下ろす高台のマンションの多目的ルームで月に1回開いていたのでした。

「ケトジェニックダイエットの講座については、林さんが受けるので知りました。“糖質を控えて、たんぱく質をしっかり”な食事を意識しているのは長くって、上の子が今6歳なんですけど、その子が1歳の時に知って、それまでずっと反対の粗食とかマクロビオティックみたいなのをやっていたんです。息子も夫もアトピーで、私は体調不良と肌荒れがすごくって、それがぜんぜん治らないかどうしたものか、とずっとネットサーフィンしてたら、たんぱく質とか栄養が大事だよという情報にたどり着いて、もう肉なんか絶対あかんと思っていたけど、栄養が足りてないかもしれないと。(肉は)ぜんぜん食べてなかったんですよ。味噌汁とご飯しか食べてなくって、ボロボロになっていて」

でも、日南さんは管理栄養士なのでは……?

「その時は管理栄養士の免許は持ってなくて、栄養士の免許だけ持っていて、保育園で働いていたんですね。保育園で献立たてたり、調理をやったり。その時は習った通り、たんぱく質を入れたり、習った通りのことをして……、でも個人的には野菜だけが体にいいと思ってました」

粗食がいいと思っていた?

「そうですね。体調が悪くなってから、そっちの方向に行ったので。それがいいって本にも書いてあるし、信じてたんですね」

当時、『粗食のすすめ』という本が大ブレークしていて、実は林さんもそれを信じていたそうです。林さんの証言です。

「助産師も、お母さん(妊婦)にどういう指導するかというと、必ずご飯をたくさん食べて、お味噌汁飲んで、野菜たっぷりで、あっさりした和食を食べなさい、肉なんかもってのほか、乳製品なんか絶対食べたらダメよというのが常識やったんですよ。それこそがいい食事。野菜、根菜の煮物。でも、いま考えたら、ご飯に根菜類の煮物にちょっとした野菜、どこに栄養があったんだろう?という……」




ケトジェニック食はアトピーにも効く⁉︎


「私もいま、そうやって指導されています。『根菜食べてね』って。根菜も大事だけど、赤ちゃんのためにたんぱく質や脂質なんかの根本的な材料がまず大事かなと」と、出産予定の助産院に通っている日南さんは笑います。でも、ケトジェニックダイエットに出合うまで、もともとニキビができやすくて生理不順、冷え症だったそうです。だから、粗食がいい、肉はダメだ! と思い込んでいたんですね。

「糖質を控えて栄養を摂るようにしたら、すごくよくなって。旦那さんはポッチャリしていてアトピーひどかったのが、若返ってます。スタミナも付いたし、精神面、メンタルも強くなったし」

旦那さまは高校の同級生で、当時はカッコよかったそうです。

「私と結婚して粗食になってから、ポッチャリになった(笑)。子どもも、生まれた時からアトピーで。妊娠中は、食べたいものを食べる、というのでケーキばかり食べていました。でも、ケトジェニックダイエットに切り替えたら徐々に治りました。いまはツルツル。あのまま粗食を続けていたら、喘息も出ていたし、アレルギーもいっぱいあったし、どうなったか……」

ケトジェニックダイエットはアトピーにも効く、という貴重な証言です。

「ふたりめの時はケトジェニックダイエットで産んで、ふたりめは生まれてからそんなんがなくって、肌もきれいで、おっぱいもよく飲んで、ご機嫌で、よく寝る、育てやすい子で、病院に行くこともほとんどないです、予防接種ぐらいで」

ケト検®を2015年3月に受講してアドバイザーの資格をとった日南さんは、糖質制限を基にした離乳食講座を独自に開いています。

「東京にいるケトジェニックダイエットアドバイザーの廣川暁子さんが、『補乳食』というのを提唱してらして、それをもとに神戸で『ちょっと変わった離乳食講座』というのを開いています。世間一般の離乳食はおかゆから始めるんですけど、お肉から始める(笑)。昆布ダシではなくて、栄養がある肉が入ったスープからです。赤ちゃんに初めてあげるものがお肉のスープなんです。食べます。すごく食べます。その子にもよるんですけど、おかゆより、レバーペーストを一番ススメているんですけど、すごい食いつきがいいんです」

「赤ちゃんはよく知ってるよね、自分が食べたいものを」と林さんが頷きながら言います。「グルメです」と日南さん。

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ケトジェニックダイエットの離乳食を講義中。


「ケトジェニックダイエットはビジネスに役立っていますか? おふたりに最後の質問をしてみました。林さんはこう語りました。

「私の仕事の道具としてなくてはならないものだと思ってます。この食事法があるから、お母さんを笑顔にできると思ってます。産後うつも栄養不足が影響していると言われているんですね。そもそも栄養不足だと体調も悪いじゃないですか。で、栄養の指導をしていくと、変化があるんです。体が楽になって、風邪もひきにくくなったり疲れにくくなったり、おっぱいが出やすくなったり乳腺炎にならなくなったり、気持ちも明るくなってくるんですよ。『焼肉、食べていいんですかー』って。『唐揚げ、チーズも食べてね』っていうと『え〜っ』て」

「ちょっと変わった離乳食講座」の日南さんも、「仕事になってます。ケトジェニックダイエットが教えてくれる新しい栄養学、機能性医学は管理栄養士が今までの枠の中から飛び出せる大切なアイテムだと感じています。ブログだけですけど、『かもめスタイル』ですぐ出てきます」。

林美佐子さんの「りんご助産院」と、日南麻衣さんの「かもめスタイル」、ぜひチェックしてみてください。なお、写真はご本人たちから提供していただきました。

追記
ケトジェニックダイエットによってアトピーが治ったという事例について、JFDA副理事長の斎藤糧三先生は次のようにコメントしました。
「アトピー性皮膚炎は、乳製品と卵に起因する非即時型過敏症(アレルギー)です。加えて、腸内フローラの乱れによって腸管バリアが破綻し、いろいろな食材に対して過敏症が成立してしまう場合もあります。
 ケトジェニックダイエットは糖質制限(乳糖を含む乳製品除去も含む)と並行して「食物繊維量」や「オメガ3オイル」なども増やしますから、抗酸化力が増しているだけでなく、腸内フローラとオイルバランスの改善によって炎症状態がよくなるなど、総合的にアレルギー状態の改善につながったと考えられます」




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日南麻衣さん(左)と林美佐子さん

ひなみ・まい
管理栄養士/ケトジェニックダイエットアドバイザー
神戸市にて既存の離乳食にとらわれないストレスのない離乳食講座を開講。妊娠前から子育てに大切な栄養の話を伝えている。三児の母。長期間の世界一周バックパッカー旅行にて食の見地を広げる。

はやし・みさこ
助産師/ケトジェニックダイエットアドバイザー
神戸市出身。25歳で結婚。2児の母となる。
子育ての傍ら32歳で看護師免許取得、34歳で助産師免許取得。
数年の産科病棟勤務を経て、2012年「りんご助産院」開院。