日本ファンクショナルダイエット協会
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第11回

安河内美和子

さん

“乳がん経験で得たもの”

広告プロデューサーとして活躍中の安河内美和子さん。三食麺類でも構わないほど無類の麺好きという食生活に大きな転換をもたらしたのは、昨年の乳がん罹患でした。がん経験をクールに語るハンサムウーマンのお話です。

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ケトジェニックダイエットはいつから?


「ケトジェニックというか、私、去年の夏に乳がんの手術をしまして、南雲先生の執刀で」

・・・(絶句)。

「去年の8月に手術を受け、9月、南雲先生の術後診療の際に『糖質はダメよ。がんは糖質が大好きだから、麺とかパンとかご飯とか避けるように…』と言われました。ちょうどその頃、南雲先生は還暦を迎えられてからの新たな志として『命の食事プロジェクト』を立ち上げられて、10月のプロジェクト発足式に参加したことが始まりでした。導入は『命の食事プロジェクト』=がんを防ぐ食事への興味から。

そこから自己流の糖質制限を少しずつ始めて、年が明けた今年1月に『命の食事プロジェクト』の新年懇親会がナグモクリニックで開かれ、その場でケトジェニックダイエットアドバイザーの先輩方、そして白澤(卓二)先生にもお会いして『ケトジェニックダイエット』を初めて知りました…。

そこで早速1月下旬の講習会に無理をお願いして参加させていただき、3月に認定いただいたという流れです。

子供の頃からずっと麺類が大好きで三食とも麺料理でも構わないほど、まさに「糖質まみれ」の食生活を続けてきたんです。南雲先生に『糖質はダメ、特に麺っ!!』と言われた瞬間には、これからの食生活はどうなってしまうのか、軽く絶望しました…ガンの手術は無事に終わっていたので、むしろ麺禁止令の方がショックだったと冗談めかして言ってますけど、食生活に180度の転換を求められ、戸惑いもありました。

乳がんはステージIの極めて早期の段階で、幸運にも自分で見つけたました。入浴中、大豆かあずき粒ぐらいの小さなしこりに気づき、まずは大学病院で検査を受けた後に治療方法と託す病院やドクターを模索しました。ナグモクリニックはセカンドオピニオンとして訪れました。

大学病院の提案はスタンダードな治療方法、つまり早期発見でガンが小さい状態である以上は部分摘出手術をしてから放射線をあてるというものでしたが、乳がんを経験した方々のお話を伺ったり、ネットで情報収集した上で複数の選択肢を並べて検証…最終的に南雲吉則先生が先駆者的に行なっていらっしゃる全摘手術をし、同時に乳房再建するという手術方法を選びました。

一般的には乳腺の全摘手術を受けると、約半年後にインプラント挿入して失われた胸のふくらみを再建する2回目の手術がありますが、南雲先生の同時再建術ではそれを1回の手術で完了します。しかも最近は再建手術も保険適用になりました」

手術はどんな具合なんですか?


「ナグモクリニックでは、手術当日の午前中に訪院して、午後に手術、1泊してから、翌朝マクロビの朝ごはんを食べ9時までに退院なんですよ。1泊だけ。あっという間です。あとは家事がリハビリと思ってドンドン動いてくださいと。

帰宅して…もちろん痛いです。座っている分には痛み止めを飲んでおとなしくしていれば大丈夫なんですが、一回横になってしまうと、全く起き上がれないんですね。数日はベッドの上にクッションを積み重ね、飛行機のシートを半分倒しているような状態で休んでいました。

大胸筋とか胸に近い腹筋に力が入ると痛くて。傘を開くのも痛い。大笑いすると痛い。寝返りは打てない。でもまあ、それぐらいですね。私の場合は術後1週間で簡単なヨガ、3週間も待たずにダンスの練習、始めてましたから。

仕事もパソコンでできる在宅の業務は術後1週間から、1ヶ月以内に完全職場復活しました。ケトジェニックダイエットと関係のない話で恐縮ですが」

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術後数ヶ月でダンスのデモンストレーションにも出演


ケト検アドバイザー資格をとってよかったことは?


「それまで食物成分表など見たこともなく、例えばどの食べ物にマグネシウム、カリウム、亜鉛、炭水化物、繊維等々…どれだけ含まれているか、全く知識がない中で課題のケトジェニック体験レポートを書き始めました。食物成分表を常に開いてメニューを考え料理を作っていくうちに、人参は…おや、けっこう糖質が多いといった、成分の知識が蓄積されていって、食材や料理を見て大体の成分が見通せるというか、そういう感覚が身についていきました。そういう(ケトジェニックダイエットの)食生活をおのずから組み立てられるようになる。外食する時も、これを摂れば何とかなるかなとか、宴会の席の決められたメニューでもなるべくこっち食べようとか。たまにお鮨屋さんに行ったら…しようがないね(笑)とか。そういう食材成分の知識が根底にあるとないとでは全然違う食生活になるということがわかりました。

(ケトジェニックダイエットを実践すると)もちろん体重、体脂肪は落ち、きれいな筋肉がついてきて…沢山の量や高カロリー食を食べるから太るのではなくて、摂取する糖質とタンパク質、脂質のバランスでカラダは変化するんだなということはすごく感じました。

レポート提出のための体験は、最初はケトジェニックをしっかり実践し、それからセミケトジェニックに移行して若干糖質の量を増やす。最後はわざと糖質を多めにとってケトジェック状態を破れさせるという3つのプロセスで進めることになっていますが、そうするといかに食べ物と身体の関係が密接であるかが実感できるんですね。これをこれだけ食べるとこうなると。もちろんケトン体の量も変わっていって、それがまた面白かったですね…自分のカラダで実験する過程が。

いつものヘアサロンで髪の毛の質がすごくよくなった、健康な髪になったと言ってもらえました。そんな感じで身体全体が変わりましたし、目覚めも快適になったり、イイ変化を楽しんでいます。

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採点者の斎藤糧三先生も高く評価する安河内さんのレポート。


私の場合はがん患者なので、ケトジェニックダイエットだけでは不十分です。塩分や乳製品など他にも気をつけなければいけない項目があるので、『ケトジェニックダイエット+命の食事』という食生活を送っています。

結局、乳がん自体で死ぬわけではなくて、がんがリンパや血管などを経由して他の臓器などへ転移してしまうことで生死を左右する事態に至る可能性がある…乳がん患者は再発と転移を見逃さないようにしなければいけません。 乳がん術後の治療としてのホルモン治療は10年間続きます。そして1年に1回PET/CT検査を受け、転移の有無を調べます。今年のPET検査は無事にクリアしました…他に転移は見られないということで。

でもまあ、私は誤解を恐れずに言えば、乳がんになってよかったと思っています。まずは、それこそケトジェニックダイエットとの出会いも含めて、食に対する意識を根底から変え、糖質過多の食生活を大きく転換させる機会を得て健康食へシフトできました。

更にもし乳がんにならなかったら知り合えなかった方々との縁にも恵まれました。普通に生活して会社勤めしていたら、その中の人脈だけで完結してしまいがちですが、乳がん患者やケトジェニックダイエットアドバイザーの仲間には様々な職業や経歴の人がそれぞれのコミュニティの中にいらっしゃるわけです。いろんなルートの違う幅広い人脈が出来て、すごく世界が広がった。とても得した気がします。

乳がんを経験していなければケトジェニックダイエットにも命の食事にも辿り着いてなかったと思います。そうでなければ、たぶんまだ糖質たっぷりの麺料理を毎日食べていたでしょうね(笑)。以前は友人たちから『麺マスター』と呼ばれてましたからね(笑)。

麺の禁断症状も心配しましたが…ケトジェニック体質になったら意外に大丈夫です。最近は糖質オフもちょっとしたブームになりつつあって、そんな麺の食材の市販も始まっていますしね。本当の麺のコシや歯応えを期待してもムリですが、たまぁにちょっと試してみることもあります。

白ワイン、シャンペンも大好きでした。糖質含みですが…まだ時々飲んでます(笑)。でもワインの場合はなるべく赤ワイン、そして焼酎などの蒸留酒、と糖質を減らす心がけは忘れてません。南雲先生推奨のゴボウ茶で割った焼酎を飲むことも増えました。お酒は食事と共に楽しみのひとつですからね。

乳がんを見つけて、ナグモクリニックでの納得できる手術を含めた治療方針が決まったところで、それまでの経緯を含めてフェイスブックで公開し始めました。手術当日も、手術室からリカバリールームまで歩いて戻った直後に、点滴に繋がれ硬膜外麻酔薬の注入スイッチを握った左腕の写真と共に手術無事終了レポートをすぐにアップしたり…。

かなり反響もいただき、女性からはもちろんのこと、パートナーを気遣う男性からも、がんとの向き合い方の参考になったであるとか、勇気をもらった、がんが少し怖くなくなったとか、そういう言葉が多かったですね。私の闘病経験、そしてその後の食生活のこと、少しでも誰かの役に立つ情報になれば何よりです。

友人たちへもケトジェニックダイエットの食生活を拡散しているところですが、私としては更にがんを防ぐ『命の食事』も加えて広げていきたい。がん患者でさえも食生活に無頓着な人は多く、ましてや糖質の影響を深刻に捉えていない人が意外に多いのです。そのあたりをどんどん広める使命があるということは強く感じています。乳がん患者の友だちも増えたからこそ、まだ気づいていない人には早く教えてあげたい」

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集英社の女性誌「MyAge」2016夏号にも登場しておられます。




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やすこうち・みわこ

1959年3月13日生まれ。
広告プロデューサー。「長らくP&Gの広告を手がけていました。趣味はボールルームダンス。南雲先生の『命の食事』の講習(初・中・上級の3回)を受講中、最終的にチューター試験を受けます。私としては知っておくべきことなので」