日本ファンクショナルダイエット協会
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第4回

古川健司さん

外科医

がんの専門医がなぜケトジェニックダイエットアドバイザーに? 最新研究によって、ケトジェニックには、がん治療を変える可能性があることがわかってきたからです。古川健司医師の日本初の試みを紹介します。

ケトジェニックは、がん治療を変える!?

超高濃度ビタミンC療法と組み合わせる

「いまのがん治療は抗がん剤を入れるだけ。抗がん剤に合うかどうか、患者さんの遺伝子を調べている。この遺伝子があるから効くとか、ないから効かないとか、それがいまの状態。それを、抗がん剤が効く体に変えるんですよ。ようはそれが食事なんです。食事の調整で遺伝子の発現が自由に変えられる。そのひとつがケトジェニックなんです」

 がんを専門とする消化器外科医の古川健司先生は、ケトジェニックダイエットに壮大な可能性を見ています。これはもう、「機動戦士ガンダム」の世界。そう、ケトジェニックでニュータイプをつくり出そうというのです!

 妄想ではありません。

 外科医の古川先生は、手術前の患者さんの体調を整えるため、栄養管理の大切さを痛感していました。日頃から栄養学、つまり食べ物について関心があったのです。最近、「超高濃度ビタミンC療法」に取り組んでいます。これは保険の適用外ですが、がん手術後の患者さんに高濃度のビタミンCを点滴するのです。
 がん細胞の大好物はブドウ糖です。ビタミンCは分子構造がブドウ糖に似ているので、がんが間違えて取り込む。ところがビタミンCはがん細胞の中に入ると、過酸化水素という活性酸素を発生して、がん細胞をやっつけてくれるのです。

 問題は、ビタミンCが体内に4時間しかとどまらないことです。そういう性質なのですね。では、もし患者さんがケトジェニック食事法で糖質をカットしたら、どうなるでしょう? がん細胞は好物の糖質(ブドウ糖)がゼロなので、いつもよりビタミンCを積極的に取り込もうとするはずです。つまり、飛躍的な効果が期待できるのです。

 ちなみに、この場合の糖質制限は、白澤教授の提案する1日60gより、さらに厳しい1日15g以下です。この数値はてんかんの治療法として開発されたもので、「スーパーケトジェニック(ケトン食)」と呼びます。古川先生はさらに独自に研究を重ね、がん患者さん向けに、2日でケトジェニック状態になるメニューを開発中です。体力の衰えたがん患者さん向けなので、タンパク質3割、脂肪7割とし、脂肪分はココナッツオイルと亜麻仁油で多くをまかなうところが特徴です。
 そして、このスーパーケトン食で臨床研究をやりたい、と考えています。ケトジェニック状態になって、ケトン体がどんどん出るようになれば、体の免疫力も上がってくることが期待できます。

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人間も進化するときがきた!

 むずかしいお話なので、そうとうはしょらせていただいております。では、古川先生、ケトジェニックダイエットのセミナーを受講して、よかったですか?

「よかったですね。これ、聞かないと、どういう食事をすれば、ケトン体が出るかわからないです。フツウの方は単にダイエット食、通信販売で売っているものではぜんぜん出ないですよ、体重は一時的に減りますけど。ケトン体を出しながら、健康的に体重を減らすということは非常に体にとってプラスになる」

 古川先生ご自身、ケトジェニック食事法を実践し、およそ1カ月で4kg痩せました。75kgあったのが、理想体重の68kgとケトン体3+をキープしているそうです。
 古川先生は思い出したように目を輝かせて、こう続けました。

「一番オモシロいのは人間の体がハイブリッドになるんですよ。クルマと一緒。通常、ブドウ糖で、解糖系というんですけど、糖分を分解してカロリーをつくる。これは効率が悪くて疲れる。いわゆる筋肉疲労が起きる。そうなる前にケトン体に切り替えて、それを栄養として生活できると、疲れないんですよ。ましてや持続時間が長い。わからないけど、テニスの錦織選手もケトン体でやってるんじゃないかな。それでやっていれば、いくらやってもバテない。長くやればやるほど相手が疲れて、絶対勝てます。戦っている相手が旧型で、こっちが新型だから。がん患者さんもハイブリッドな体質に替われば、がん治療も変わる。オモシロいのは人間の進化ですよ。究極の疲れない人間」

 あまりに壮大なお話に、思わず「へーえ」といってしまいました。古川先生は大マジメです。

「いやいや、ケトン体で生活できるようになると、そうなるんですよ。だって、白澤先生は朝食べて、昼食べないんでしょ。夜、ちょっと食べるだけ。ケトン体で動いているから疲れない。南雲先生もハイブリッドで動いている。だから、若い。あれを目指さないと、人類が次のステージに入らない。だって、人類の進化って、基本的に食事ですよ。いまの食生活で、いまの人類の体型があるわけです。次の新世代にいこうと思ったら、栄養代謝が変わらないと無理。エネルギーですよ。クルマがガソリンから電気へでしょ。人間もその流れにのっていかないと、本当に進化はできない」

 新人類!? と口には出しませんでした。

「ケトン体で動いていると、がんもなくなっちゃうんです。だって、がんは栄養としてケトン体は使えないから。本当にみなさん、これをやれば、がん、糖尿病、メタボリック症候群、虚血性心疾患、脳血管障害などの病気が減る。死なないです(笑)。画期的なメソッドですよ。クルマも進化したように、人間も進化するときがきたと思います」

 ケトジェニックダイエットで、進化にGO!

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古川健司さん

医学博士/消化器がん外科医

1967年4月14日生まれ。東京女子医科大学消化器外科に籍を置きながら、現在多摩南部地域病院の外科に勤務。写真は、土曜日の午後、緊急手術の直前!池袋のがん専門クリニックでは保険適用外の治療も行っている。